むさしのこく便りの第一弾は、大沼名誉院長の著書のご案内です。
以前にもご案内したものですが、むさしのこく便りとして、あらためてお知らせいたします。
2016年2月、
大沼悌一名誉院長の著書「成人期てんかんの諸問題」が、ぶどう社より出版されました。
波の会東京都支部の会誌である月刊の「ともしび」に連載中で、当ホームページの「てんかん勉強室」にも掲載している、「成人期てんかんの特色」から厳選し、加筆・修正し、読みやすい一冊の本にまとめました。
ぶどう社に直接ご注文いただくか、書店でお取り寄せください。
amazonなどでもお求めいただけます。
クリニックの待合室にもおいてありますので、お手にとってご覧ください。
■目次■
プロローグ 忘れ得ぬ患者
1部 成人期てんかんのさまざまな問題
1章 共通する問題
2章 身近な問題
3章 伴う症状の問題
4章 妊娠・出産の問題
5章 認知症と間違う問題
2部 てんかんと発作
6章 症候性部分てんかん
7章 原 因
8章 脳の疾患とてんかん
9章 発作と対応
10章 日常生活にある発作の誘因
11章 外的刺激が誘因の「反射てんかん」
3部 検査と薬
12章 さまざまな検査
13章 薬の作用と副作用
14章 新 薬
15章 十分な注意が必要な薬
4部 発作の裏にある脳の病気
16章 「ミオクローヌスてんかん」
17章 脳に影響を与えるさまざまな要因
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今まで私は、大学病院や国立病院(精神科)で、てんかん患者さんを診察してきましたが、てんかん専門クリニックを開いてからの13年間で、多くのてんかん患者さんと長期間にわたってお付き合いをしていると、今までとはまた違ったてんかん発作をもつ、患者さんの人間像が見えてきました。
発作がおさまって元気で仕事に励んでいる方もいる一方、いまだ発作がおさまらず苦しんでいる方も多いです。また、まったく普通で、健康で明るい患者さんがいる一方、こだわりや知的障害などがあり暗い人生を歩いている方もいます。そして、家族内での葛藤も見えてきます。この本は、てんかん教科書や解説書とはちょっと趣を異にしており、私がお付き合いしたてんかん患者さんの日常生活を通して、そこから得られた人間像をもとに書いています。 (はじめにより 大沼悌一)