1.成人期てんかんの特色 (2003年4月号)

てんかん発作を持ちながら成人式も過ぎ、どうにか成人に達しました。しかしまだ発作は完全に治まってはいません。成人期のてんかんの多くは部分発作です。もっとも多いのが側頭葉てんかんで、発作は複雑部分発作といわれるものです。この発作の特徴は「一瞬意識を失いぼんやりして動きが止まるだけ」で、まれには倒れることがありますが、多くの場合、倒れるほど強い発作は少ないのです。しかしこの発作は比較的回数が多く、毎月何回か起こり、かつ比較的治りにくい場合が多いのでやっかいです。

親として今までも大変苦労を重ねましたが、これからも心配の種がつきません。そうこうしている内に親はどんどん年を取ります。親が足腰立たなくなったら、また親が呆けたり、あるいは亡くなったあとはどうなるのでしょうか。このような質問に良く出会います。これをまとめると以下の疑問が浮かび上がります。

1. 自立できるか
2. 車の運転は可能か
3. 職が見つかるか
4. 結婚相手が見つかるか
5. 親亡き後どうなるのか

まず手始めに1.「自立」について考えて見ましょう。

さて自立できるかどうかは大きな問題です。自立といってもいろいろな程度があります。食事、移動、衣類の着脱、トイレ、入浴など基本的な身の回りの生活に介助が必要な方がいます。このような比較的重度な障害を持っている人も、最近は自立へと向かって、グループホームのようなところで、アパート暮らしをしている方が多くなってきました。介護職やボランテイア、ヘルパーさんが交代しながら援助しています。

重度の障害ではないが、社会的に自立できない人がいます。
人間関係が下手で、上手に挨拶ができない。 したがって孤立してしまう。
家の中で閉じこもりがちで、昼夜逆転の生活になる例があります。
基本的な社会生活ができていないといったほうが良いでしょう。
社会生活の基本を実につけるにはどうしたらよいのでしょうか。

まず閉じこもりをなくしましょう。それには「自分の病気は自分が責任を持つ」という自覚が必要です。そして「自分で病院に行き、自分で薬を貰ってくる」ことが大切です。しかしこれが意外と難しいのです。なぜなら親は子離れできず、子は親離れができないので、無理をすると親子喧嘩になってしまうのです。そしていつも折れるのは親です。辛抱強く主治医の助けも借りて、説得し、つらい子離れを試みなければなりません。そのうち時には失敗を繰り返しながら、自立できるようになるでしょう。

「成人期てんかんの特色」/大沼 悌一

(この記事は波の会東京都支部のご許可を得て掲載しているものです。無断転載はお断りいたします。)

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