148.高齢初発のてんかん発作症状は見逃しやすい(2015年7月号)

高齢初発てんかんの発作は、それが日中覚醒時に起こると側にいた人でも気が付かないほど軽い場合が多い。一瞬記憶を失い、ぼんやりした表情になり、問いかけても返事が戻ってこない。これを意識減損発作という。この発作は側頭葉てんかんの複雑部分発作に分類されている。

下図(産経新聞2012年1月17日)はその模式図である。急に意識を失い、ぼんやりしたうつろな表情になる。それまでやっていた動きは止まる。口をペチャペチャさせ、物を飲みこくような動き(口部自動症)をしたり、手をまさぐるような無意味な動きをする場合も多い。持続時間は通常短く分単位である。この間意識はなくなるが、呼びかけにはこちらを向いて「うん・うん・・」などとおうむ返しのような返事をすることもある。しかし何を言われているのか理解していない。意識が戻ってもすぐに今自分は何をしていたかわからないこともが多い。まれにこのぼんやり発作が30分以上続き、この間その場にそぐわない行動をしたりすることがある。例えば休みなのに仕事に行こうとしたり、夜中なのに外に出ようとしたりするなどがありうる。

また記憶障害も次第に目立ってくることがある。それで認知症が疑われる場合が多い。発作時には意識が曇って記憶も失われるが、発作が頻回に起こると物忘れがひどくなり、例えば海外旅行などの昔のエピソード記憶が失われることもある。

「成人期てんかんの特色」大沼 悌一

(この記事は波の会東京都支部のご許可を得て掲載しているものです。無断転載はお断りいたします。)

むさしの国分寺クリニック・ホームページへ
むさしの国分寺クリニック・ホームページへ